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新居拓也のブログ。2016年夏、カナダのユーコン川を下ってきました。前職は地方紙記者。元川の学校スタッフ。


by n11t

【ユーコン:ホワイトホース〜ドーソン】ついにドーソンシティ着(7月30日)


朝。太陽の光が差し、霧雨が輝いていた。今日はドーソンの近くまで行けるだろうからそこで一泊して、明日はゴールだろう。そう考えていたのだが、午後に再開したジョンとレイの言葉で予定が変わってきた。

「もうあと数時間でドーソンだね。僕らはドーソンの対岸にあるキャンプ場で泊まるよ。よければ一緒にゴールを祝おう」。
え、あと数時間なの?僕は思ったよりゴールに近づいていたようだった。

カヌーを漕ぐのに飽きると、カヌーの上で本を読んだ。こちらにきてから読み始めた「日本人のための憲法原論」は終盤に差し掛かっていた。うとうとしていると、追い越していたジョンたちが通りかかった。「動かないから何をしてるのかと思ったら本を読んでたのか。しかしタク、ライフジャケットは付けた方がいいぞ」。そう言って追い越していった。

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この日もまとまった雨が降っては晴れての繰り返しだった。漕いでいる場所は晴れていても、行く先で大きな雲から大雨が降っているのが見えたし、背後から雨雲に追われたこともあった。

目の前の雨雲が通り過ぎるのを待ったり、背後からの雨雲に対しては全力で漕いだりしてなんとかやり過ごしていたが、ドーソンまであと少しの場所でついに捕まってしまった。どうやらそう簡単に旅は終わらせてくれないみたいだ。

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午後6時すぎ、右岸側にドーソンシティが見えた。カラフルな屋根、停泊している観光船、土手をランニングする人々。全てが新鮮だった。

観光船の隣がレンタルカヌーの返却場所で、すでに5〜6艇が置かれていた。上陸し、小さくガッツポーズ。カヌーは乗り捨てなので、引き上げて気にロープにくくりつけて完了だ。

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しかし、長いのはここからだった。カナディアンに満載していた荷物をできるだけコンパクトにまとめ、キャンプ場に移動しなければならなかった。

キャンプ場は野田さんの本で紹介されていた「Dawson City River Hostel」に決めていた。ドーソンシティの対岸にあるが、24時間運行のフェリーがあるのでいつでも渡ることができる。なぜそんなフェリーがあるかというと、ユーコン川の対岸同士の道路をつなぐ橋がないからだ。フェリーの乗組員に「なんで橋を作らないの?」と聞くと、「お金がないんだ。フェリーを運行する方が断然安いからね」とのことだった。

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対岸の船着場から左上に行ったところが「Dawson City River Hostel」、右へ行ったところに公営のキャンプ場がある。しかし僕は間違えて公営のキャンプ場に行くなど「Dawson City River Hostel」が見つからず、雨の中右往左往することになった。

チェックイン後、カヌーのところに戻って先ほど運べなかった分の荷物を運び、テントを張ってやっと終了。最後の最後が一番大変だった。

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by n11t | 2017-01-19 18:42 | ユーコン川