新居拓也のブログ。2016年夏、カナダのユーコン川を下ってきました。前職は地方紙記者。元川の学校スタッフ。


by n11t

【元川ガキ、ユーコンへ行く】フォートセルカーク(7月27日)


晴天。川幅はさらに広がり、中洲の数もさらに増えた。


12時半、公営のキャンプ場があるフォートセルカークに着いた。対岸に大きな支流ペリー川の流れ込みがあった。


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かつて交易で栄えた村であり、古い建物がたくさんあった。丸太でできた小さな家が多い。それぞれ年相応に朽ちているが、そのままにされており、自由に入ることができた。


大草原の小さな家たち。


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今日はここで泊まるという安田さんと別れて出発した。

太陽が泥色の川を照らしてた。遠くに浮かんでいる大きな雲に向かって進んだ。


「風の先の終わりを見ていたらこうなった。雲の形を真に受けてしまった」

奥田民生 さすらい


カーマックス以降、川地図には”Good Camp”の表示がめっきりと減った。丁度良い場所に地図に記された場所がないなら、自分の目で良いキャンプ地を見つけなければならない。


川の両岸は茂みが多く、平坦な場所が少なそうだし、クマに出会うリスクも高そうなので、河原の広い中洲が真っ先に候補に上がった。


砂利の河原に上陸。ペグが打ちにくいの嫌う人もいるが、ずっと僕は広く見晴らしのいい河原が大好きなのだ。ペグがわりに大きな流木で2本の支点をとってタープを張った。流木のポールを立てて、前の2点は再び地面の方向にアンカーをとる。これでタープがシェルター型になり、横からの雨も防げる。


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ビールを飲んでほんの少し酔っ払い、フライを振った。悪くない筋を流していると思うのだが、グレイリングは食いつかなかった。カーマックス以降、釣りは難易度を増しているように思えた。


薪を追加しようと、のこぎりで長い流木を切った。しかし旅にも慣れてきたせいか、この時はいつもしている手袋をしていなかった。そんな時に限って、手を切ってしまうのだ。切ったのは右手の人差し指。奇しくもノコギリは切れ味抜群で海外のキャンパーにも自慢していたシルキーのゴム太郎。切り口は狭いが、奥には深そうだった。


カヌーピープルでスコットが言っていたことを思い出していた。

「アクシデントっていうのは、大抵バカなことをした時に起こるもんだよ」

ビールを飲んで、しかも手袋をせずにノコギリを扱い、またそれを荒野でやってしまったことがバカなことだ。


切れていない、そうきっと切れていない。そう心の中で唱えて自分をごまかして、ファーストエイドキットを取りにいった。そのまま指を動かさず、マキロンで消毒し、バンドエイドを貼り、非伸縮のテーピングテープでぐるぐる巻きにした。傷口を妙に弄らなければ、きれいにひっついてくれると僕は信じた。祈った。



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by n11t | 2016-12-17 10:00 | ユーコン川