新居拓也のブログ。2016年夏、カナダのユーコン川を下ってきました。前職は地方紙記者。元川の学校スタッフ。


by n11t

【元川ガキ、ユーコン川へ行く】雨とパイクとブルーベリー(7月21日)


川は蛇行を続けていた。曇り空は気がかりだが、カヌーは気持ちよく進んでいた。出発して少しして10人ほどの団体が僕を追い抜いていった。

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そろそろノーザンパイクが釣りたかった。ユーコンで釣れると踏んでいた魚は2種類だ。昨日グレイリングは釣ったが、まだパイクがどのような場所にいるかが掴みきれていなかった。

昨日ウルフが「以前支流の流れ込みで釣った」と言っていたので、支流が流れ込んでいた場所で上陸した。バイブレーションプラグを投げると、1投目で水面が割れ、小さなパイクが食いついた。狭いスポットだったので倒木に巻かれるも、手で解いて確保した。「パイクはいれば食ってくる」という感覚でいいのかもしれない。

釣ったパイクは食べるまで鮮度を保つため、顎にストリンガーを通して曳航することにした。同じ流れ込みではもう1バイトあったが、バラしてしまい、その後あたりはなくなった。

それからシャワーのような本格的な雨が降った。

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パイクを釣った支流の流れ込み地点。小型が多かった。

川が右へ大きく曲がる場所で、水が左側に溜まって湿地帯を作っていたので上陸した。水面からカヤ系の植物がたくさん顔を出していた。カヌーピープルではスコットが言っていた。
「こんな草が水面から顔を出している場所ではパイクが釣れるよ。あいつらはいつでも腹が減っているからルアーは何でもいい」
それはこんな場所かもしれないと思った。

水深は深くて1メートルほど。50センチほどの浅場をプロペラがついたトップウォータープラグを投げると、魚が水面直下を走り、ルアーに食いついてきた。残念ながら針がかりせず。続けて投げるが反応なし。ポイントを変えると、そこでもいきなりのバイト。しかしまた掛けれず。ここでももう食いつかなくなった。同じスポットに何匹もいるような魚ではないようだ。

僕がユーコンに持って言っていたルアーロッドは小学生の時に買ったブラックバス用のベイトタックルだ。当時、世間ではブラックバス釣りが流行った時期で、家の近所にはブラックバスなど生息していないにもかかわらず入れ込んでいた。ただ、この竿とリールに魚がかかることはほとんどなかった。どうにか活躍の場を作ってやりたいと、扱いやすいスピニングではなくこの竿を持ってきたのだった。

歩いていると周囲にやたらと動物の跡が多いことが気になった。2種類の足跡、恐らくはクマとムース。よく見てみると、周囲の植物は全てブルーベリーで、実が鈴なりになっていた。

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僕は生のブルーベリーが他のどの果物よりも好きなのだ。思わず「おお」と声が出た。興奮して鍋を取りにカヌーまで走った。とってもとってもまだまだある。3つに1つは口に入れた。体がビタミンをほしがっていた。

満足するまでブルーベリーを食べた後、カヌーに乗ってルアーを投げた。別の淀みで1匹かけるもまたバラシ。本当に僕は下手!諦めて帰ろうとした時に、カヌーの真横を大きなパイクが通り過ぎるのが見えた。慌てて竿を構え、泳いでいった先へ投げると、グン。確実な重みを感じた。

パークは力強く水平に走った。たまに首を振るその1つ1つが力強い。カヌーの上に引き上げて無事確保。大きさは50センチほど。思わず一人でガッツポーズした。

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ノーザンパイク

その後、1時間ほどで、テスリン川とユーコン川の合流地点フータリンワに到着。かなり整備されたキャンプ地で、ベンチや机、焚き火の場所ファイヤーピットがあった。テスリン川はとても大きな支流でホワイトホースを出発する代わりにテスリン川から下る人も多い。

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午前中に僕を追い抜いていった団体がいた。ガイドはマックスという長身の男だ。一行は水上飛行機でレイクラバージュの端まで移動し、今日が2泊目。2週間ほどかけてドーソンまで行くという。

「君は一人?」
「そう。いろいろ大変だけど自由でいいね」そう答えるとマックスは言った。
「僕もそう思うよ。さっきもお客さんに言ったんだ。次は一人で好きなように旅するのもいいよって」。マックス、それを客に言うの、旅の終盤でよくない?


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by n11t | 2016-11-17 07:00 | ユーコン川